高周波増幅器(3)

    ● 電波障害注意!


  1. 70W・30MHz 高周波増幅器の作成:


  70W・30MHzクラスの石、 FET(RD70HHF1、三菱)が手に入ったので、(無線用ではなく、NQR等の実験用の)高周波増幅器を作成することにした。 (樫木総業、100W・30MHzクラスのものは SoldOutだった) この高周波用Power MOSFET RD70HHF1 は、30MHz・70W増幅用で、Vdd 12.5V、入力3.5Wで、Idd12A、出力80−90Wとなる。 Idq (アイドリング電流)=1Aになるように Vggを設定する。 電源は12.5V・15Aのスイッチング電源(アリエク)を用いた。(12V用のものをアジャストVRで設定)

  大きなVC等は必要なく、ストリップラインによる回路図が例示されて、適用周波数範囲は狭い欠点があるが、これに従って組み立てていくものとする。 (昔一般的だった500V、1kVのタイトVC等は 現在 ほとんど販売されていない)


  (1) 基板の作成と 部品の取り付け:

  ストリップラインを使用するため、仕様書により、基板はテフロン(比誘電率εr=2.7)で、 h(板厚)=1.6mm と指定されている。この材質で、ストリップ幅は4.2mmで、計算式による 特性インピーダンスは 約43Ω となる。
  しかし、銅張テフロン基板が手に入らないことから、片面1.6mmガラスエポキシ基板をエッチング、銀メッキして、片面1.2mmガラスエポキシ基板を裏ベタで、ネジ(放熱器に固定)とスルーホール(φ1mm錫めっき線)で背中合わせにしっかり張り合わせて、テフロン基板の代用とした。 この場合、 εr=4.8 (ガラスエポキシ)、(板厚): 1.6+1.2= 2.8mmで、ストリップ幅を w=5mm とすると、特性インピーダンスは 約50Ω となって マッチングする。 一応、仕様書によると、SWRが 1:9の ミスマッチでもFETは壊れないとある。

  
     

  基板は、ケースに収まるよう、コ の字型に 3分割して組み立てた。 部品は、500V−1kV耐圧のコンデンサーを用い、大きなチップ部品が無かったので、リード型のものを短く切ってはんだ付けした。 給電部分はランドを貼り、その上にはんだ付けした。 ゲートバイアス(Vgg)を与える部分は、ドレインのアイドル電流が 約1Aになるように 抵抗分割した。




  (2) 組付けと ダミーロードへの試運転:


  ケース(リード PSA3、放熱器・ファンの風の流れが良くなるように、蓋に通気孔が開いている)に収まるよう、コ の字型に 3分割して組み立てた。 基板の裏ベタ面の角部のつなぎ目には、銅箔をはんだ付けした。
  入力部には アッテネーター切替SWを内部に設け、直通と 50Ωアッテネーター経由とを切り替えられるようにした。 アッテネーターを通ると、パワーが約半分になる。 FETの入力パワーの最大定格は 5Wなので、入力が過大にならないように注意。 これに加えて、ドライバーの10W機出力は大きすぎるので、ゲート前の抵抗を、1Ωから 2.2Ωとした。

  パワーSWを ONにすると ドレイン電圧がかかる。(Idd=0A) 次に ゲートSWを入れると、アイドリング電流(Idq)が 約1A流れる状態になる。
  M型コネクタの出力を ダミーロード(約47Ω)につなぎ、BNC入力へ、12.で作成した 高周波増幅器(1)(原発振は別途用意)から、約28−35MHzの入力信号を入れる。 ただし、10W機の2SC1945は、27MHz用なので、高周波側ではかなり出力が落ちる。

  仕様書による出力は、Vdd12.5V、30MHz、入力3.5W、アイドリング電流1A の条件で、Idd が 11Aの時、約80Wとなる。この時効率η=60%。

  ダミーロードは、終端抵抗器無誘導、50Ω、250W、〜2GHz中国製、電極が切れやすいので注意)を放熱器とファンにより固定し、並列にセメント抵抗(1kΩ×2並列)と電球を入れて、電球(6.3V、0.9W)の光り具合でパワーのモニター(目安)とする。 70Wフルに出ても0.9Wの36%しか光らないので、かなり暗い。 (メタルクラッド抵抗は 中にコイルを巻いているので、インダクタンスが大きく 使えない。)  終端抵抗器は熱くなるので、DC12Vファンで排熱する。
  出力のピークは、32MHzあたりなので、多少高周波側にずれている。

  モニター端子からのオシロ波形(約0.4Vp−p、10k×2を通して)は、(抵抗のため少しひずんでいるが、)大体きれいな正弦波になっている。ダミーの両端には(計算より)約60Vp−p程度がかかっている。 電界強度計では、ダミー近傍で 90〜100dbμV程度だった。(近くでパソコン操作すると、USBマウスのポインタが消える程度。)

f (MHz)   Idd(A)  アッテネーター入Idd(A) 10W機 Ic(A)  ダミーロード電球
  28   8.0     6.5    1.0  △(暗く光る)
  29   8.5     6.5    0.9    △
  30   9.2     7.0   0.75    △
  31 9.5〜10.0     7.0    0.7   ○(光る)
  32  10.5〜11     7.0   0.65   ○(光る)
  33 9.5〜10.0     6.2   0.95   ○(光る)
  34   8.0     6.0    1.1    △
  35   8.0     5.5    1.1    △


  
 



  2. NQR共振回路へ通す実験:


  共振回路をダミーロードとの間に入れて調整すると、入れないときよりもエネルギーの流れが良くなる。 NQRに必要な周波数(35Cl核、KClO3: 28.09MHz、 pジクロロベンゼン: 34.2MHz)では、
   28MHz: 8.5A (同調VC 9割入)、 10W機 1A、 電球:暗く光る、 アッテネーター入: 7.5A
   34MHz: 5.5A(同調VC 9割入)、 10W機 1.1A、 電球:暗く光る、 アッテネーター入: 5A
となって、実用的のようである。
  コイルで発生する信号の 逆流防止用に入れた、6個ずつ逆向きに並べて双方向ダイオードにした (計12個)ES1D (200V1Atrr=15nS、 Vf=0.9V(1A))は、わずかに温まる程度で パワーロスは少なく 良好だった。

  連続法は電波障害が大きいので、パルス法で行うことになる。 因みに、VCは大きくてかさばるので、このような配置になった。




  * その後、ダミーロードの電球があまりにも暗いので、もう少し見やすくするために、並列に 100V、5W の 透明ナツメ球を入れた。(70Wフルで高周波電圧は60V弱 ・・・ 5Wの約5割光る) また、ドライバーアンプの電源を 9Vから12VにUPしたところ、出力は約2倍になり、共振回路にVCと並列に入れたC(100p 1kV)と 内部のFETのすぐ後の200p(100p 1kV×2)が、いずれも中国製で簡単に焼損したので、国産の100p、2kVに交換する予定。

    



  3. 1.8−54MHz 70W(100W) キット: (追記)


  MRF9120 の再生品(半導体は米国製、別の機器からはがしたもの)を使用した、アマチュア向けの HF帯の 広帯域リニア・アンプ1.8−54MHz 100W/16V、出力開放・短絡・SWR>2 禁止で、かなりシビア)のキットを購入して組み立てた。(中国製、アリエク) 電源16Vで100Wの出力が謳われているが、手持ちの12.5V・15A電源で用いると、約70W程度になる。 1.で作ったアンプは、30MHzを中心に±5MHzで かなり狭いのに対し、この広帯域アンプは、10MHz−25MHzの領域を楽にカバーすることができる。
  コンデンサーには100Nと書いてあるので、100pFか0.1μFかは不明。 ゲートバイアス用の半固定VRとCはすでに組付け済みでこれも不明。 コイルの巻き線数は、フェライトコアに巻いてあるので HF帯程度になっている。コアの Q値があまり高くないので、広帯域でブロードに増幅すると思われる。
  ゲート・バイアスは、電源を入れても電流0Aで、VR調整(?)済み。
  リレーは電源OFFのときは、入力−出力間がスルーパスし、ドライバーアンプの入力がそのまま出力される。(12Vリレーを16Vで使うようである(?))

  入力は5Wまでで、ドライバーアンプはmax10〜13W程度(at.Vcc:9V)なので、過大入力にならないように、入力側に 2重にアッテネーター(50Ω、パワー1/2に減衰 ×2)を設けた。 出力側は単純に同軸で接続。
  1.と同様に、 BNC入力、M型(5D2V用)出力、モニター端付き、 Idd の電流計DC15A(中国製、AMAZON、 値が正しいことは国産品と比べて確認済み)、 電源SW 15A用。


 

  

  電源12.5Vで、2.の共振回路につなげて電流値を測定した。 (ドライバーアンプ(10W機)の コイル 8T → 12T、 タップ 3T → 4T、 出力VC 150p + C:220p、 電源9V)

  結果は、ドライバーアンプのコイル、VCをやや低周波側に持って行ったので、高周波側はやや弱く、アッテネーターSWで調整する。 14MHzあたりまではほぼ均一の出力となった。 また、2.*の ダミーの電球の明るさも、ほぼ均一70W程度と、良好であった。

f (MHz)  Idd(A)     アッテネーター個数  10W機 Ic(A) ダミーロード電球  
  14       8      1個    1.3      明るい    
  15   10      1個    2.5   明るい   
  16   11      1個    1.8   明るい   
  17   11   1個    2.0   明るい
  18   10   1個    1.9   明るい
  19   10   1個    1.8   明るい
  20    7   1個    1.4   明るい
  21    6   1個    1.7  やや明るい
  21    8   0個    1.7   明るい
  22    8   0個    1.7   明るい
  23    7   0個    1.2  やや明るい
  24    8   0個    1.0  やや明るい





      § 通り抜ける光:


  ストリップラインは、同軸ケーブルを切り開いた形と等価であり、特性インピーダンス(50Ωなど)が定まって 電磁波をほとんどロスなく伝送します。 上記のオープンスタブの場合、明らかに L < λ/4 なので、容量性となり、挿入されたコイルと 共振回路を形成し、その共振点をピークとする周波数の 電磁波エネルギーを、効率よく通過させます。 (ショートスタブの場合は、逆に 誘導性になる。 → 36.高周波の測定器(1) の下) ストリップラインには、表裏に部品を乗せても、ほとんど減衰等の影響がないことから、携帯電話等の 高周波用の基板に多く用いられています。


  創造主、神である「御子」、「聖霊」は、「光」(=電磁波)にたとえられ、創造のみわざを成されます。 その際、人の信仰を通して神様がわざを成される時、「へりくだった柔軟な器」「通り良き管」を通して、力あるわざを成されます。 バプテスマのヨハネは、御子イエス・キリストが来られる時、「主の道備えをする」役割を果たしました。
  同じように、「終わりのリバイバル」の時、主は、整えられ、主の みこころに共鳴し、通り良き管となった器を通して 大いなるみわざを行なわれます。 リバイバルの時、主が通られる道備えが成されるために、罪の悔い改めと 赦しの、バプテスマのヨハネの油注ぎがあります。(→ アズベリー・リバイバル



   「そのとき、神が、「光よ。 あれ。」と仰せられた。 すると、光があるようになった。」 (創世記1:3)

   「光はやみの中に輝いている。 やみはこれを捕えなかった。」 (ヨハネ1:5)  ・・・・ (真空中で光が減衰せず、素通りして、エネルギーが100%伝わるように)

   「私(=バプテスマのヨハネ)は、預言者イザヤが言ったように、「主の道をまっすぐにせよ。」と 荒野で叫んでいる者の声です。」 (ヨハネ1:23)

   「見よ。わたしは、の大いなる恐ろしい日が来る前に、預言者エリヤ(=バプテスマのヨハネの事)をあなたがたに遣わす。 彼は、父の心を子に向けさせ、子の心をその父に向けさせる。」(マラキ4:5、6)






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